ライフジャムで設計を進めている「熊本市営住宅高平団地」において、建て替えに向けた既存建物の解体がまもなくはじまります。
60年近い団地の歴史から醸し出される昭和の空気感が当たり前のように地域に溶け込んでいます。しかし、その風景は数か月後に消滅してしまいます。あの棟番号は誰がデザインしたんだろう。猫の居場所はどうなるんだろう。豊かな緑は残せないだろうか。解体工事が直前の今更ながら、様々な思いが過ります。
建て替え後の住環境は、バリアフリーの配慮や住宅性能評価に基づいた「住みやすい機能」を備えたものになりますが、今の高平団地が醸し出す「生活の年輪」のようなものは簡単に引き継げるものではありません。
例えば、建て替え後の緑化に関して法的な必要面積が設定されている一方、管理が大変という理由で植栽にネガティブな意見もあります。しかし、高平団地にお住いの方がガーデニングを楽しんでおられた姿を思い起こすと、住み手によって自然と管理されていくのではないかと期待してしまいます。それが団地に住む楽しみになるかもしれないし、コミュニケーションのきっかけになるかもしれないし。
そのような漠然とした思いから、今しか記録できない高平団地の記憶を撮り残しておこうと考えました。そして、工事が進む中でも様々な物語が生まれるはずです。そこで「高平団地物語」と題した今の状況をエピソード1として記録しました。特に目的はありません。既存団地にノスタルジックを感じたり、どんな団地に生まれ変わるのか想像してみたり、見る人が色んな解釈をして良いと思います。そして、頃合いを見ながらエピソード2・3・・・と展開する予定です。建築は人工的な命とも言えるでしょう。60年近く続いた命がついえ、新たな命が誕生するまでの物語をノンフィクションで撮り残していこうと思います。
News
高平団地物語 episode1
アーカイブ玉東町役場パンフレット完成
ニュース2025年3月末に、玉東町役場庁舎設計業務の一環であった広報支援のパンフレットを納品しました。
福岡のサインデザイン会社「MYSA」にデザインしていただいたお猿さん(木葉猿)を用いて、出来るだけシンプルにまとめています。このパンフレットは、主に庁舎建設を検討されている自治体の方が視察に来られた時に渡されるものです。そのため、発注者である町長や役場担当者・施工者・設計者のコメントがあった方が、リアリティがあって良いと思いました。特に庁舎となると大手設計事務所が手掛けることが多いのですが、弊社のような地方の小規模事務所でも設計できることを知っていただけると、各地で地方設計事務所が関わるきっかけになるのではないかと思います。
サイトリニューアルのお知らせ
ニュースこの度、株式会社ライフジャム一級建築士事務所のWEBサイトを全面リニューアルしました。
今後も内容の充実を図るとともに、ライフジャムが手掛けたプロジェクト情報を発信してまいりますので、何卒よろしくお願い申し上げます。